土を掘って別場所に搬出
掘削工事(土工事)とは、地表面より下の構造をつくるために土を掘って別の場所に搬出する工事です。
掘削工事が行わなければ地下の階層や基礎躯体など地面より下にあるものをつくれないので、建築で掘削工事は必要不可欠とも言えます。
他の工事も同時進行
掘削工事は土留め工事や排水作業と同時に行われることが多いため、基礎工事の中では比較的、長期間の作業になります。
掘削工事で登場する機械
掘削工事で登場する主な機器についてご紹介します。
バックホウ
バックホウは直接地面の土を掘り、掘った土をダンプトラックにそのまま積み込むことができます。掘削作業において最も一般的な機械です。
バックホウは一般的に「ショベルカー」と呼ばれることが多いと思います。工事現場で最も有名な機械ではないでしょうか。
クラムシェル
クラムシェルとは地下深くで掘られた土を地上のダンプトラックに積むための機械です。
掘削工事の始めはバックホウでダンプトラックに直接土を積み込むことができますが、作業が進むにつれ、地下が深くなるとバックホウではダンプトラックまで届かなくなります。
そこで登場するのがクラムシェルです。バックホウで掘られた土を地下から地上まで運び、そのままダンプトラックに積み込む中継のような役割を果たします。
テレスコ式クラムシェル
テレスコ式クラムシェルは、油圧でアームが伸縮可能となっているタイプのクラムシェルです。
上で紹介した通常のクラムシェルよりも効率よく土を運ぶことができます。
地下掘削の手順・流れ
1次掘削
1次掘削はバックホウを使って地面を掘っていきます。すでに構築されている土留めに沿って土を掘っていき、近くにあるダンプトラックにそのまま積み込みます。
ある程度の深さまで土を掘ったら、支保工という土留め壁を支える切梁を設置します(これは土留め工事)。
大型建築の場合はクラムシェルが中心の土も地上に運べるように掘削を行っている地上に「乗入れ構台」を設置したりします。
2次掘削
2次掘削は掘ったところまでバックホウが降りて、再び掘削作業を始めます。
1次掘削の場所よりさらに深くまで土を掘っていくので、ダンプトラックにはクラムシェルを使って土を積み込みます。
掘り進んだらまた切梁の志保工を設置し、露出してきた土留め壁を支えます。
3次掘削
3次掘削も1、2次掘削と同じように掘削作業を進めていきます。
排水作業も必要なところで登場
土地によっては掘削作業の途中で地下水が湧き出てくることがあるので、掘削の開始前や掘削中に排水作業も行います。
排水をしないでいると土全体が泥状になり、土も非常に重くなります。掘削作業にも支障が出るので、
- 釜場排水工法
- ディープウェル(深井戸)工法
などの工法を用いて排水作業を行います。
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