子どもの脳力を開発する為に、子どもではなく、お父さん、お母さんが脳力開発の「知識」を持っていただくことで、子どもはぐんぐん賢く成長するのです。
毎週水曜日はそんな「子どもの脳力アップの秘訣」や、トドラーズ世代(※1)のパパ・ママを応援するいろんなお役立ち情報をお送りしたいと思います。
子どもの脳力を高めるイベントなどの情報もご案内させていただきます。どうぞお楽しみに😉♪
第29回目は・・・前回の続き
教育資金はいつかける?③
前回は就学前教育の重要性の根拠として「ペリー幼稚園プログラム」の概要をお話しました。
今回はその「ペリー幼稚園プログラム」の成果についてお話したいと思います。
「ペリー幼稚園プログラム」では入園資格のある子ども達のうち、ランダムに選ばれた58人の入園を許可された子ども(処置群)と、65人の残念ながら入園を許可されなかった子ども(対照群)を比較するという実験によって、その効果の測定が行われました。この実験は非常に小規模なものでしたが、その結果がのちに極めて高く評価されたのは、プログラム対象者に対して、この後約40年にわたる追跡調査が行われたからです。処置群と対照群の子ども達の間でどのような差が発生したのかをみたのが次の図です。
とくに注目すべきなのは、子ども達が卒業した後ーしかも卒業後かなり時間が経った後もーペリー幼稚園プログラムの効果が持続していたということです。19歳、27歳、40歳のときに行われた追跡調査の結果をみてみると、灰色の棒グラフで示された処置群の子ども達は、黒色の棒グラフで示された対照群の子ども達に比べて、
- 6歳時点でのIQ → 高い
- 19歳時点での高校卒業率 → 高い
- 27歳時点での持ち家率 → 高い
- 40歳時点での所得 → 高い
- 40歳時点での逮捕率 → 低い
ことがわかりました。つまり、この就学前プログラムに参加した子ども達は、小学校入学時点のIQが高かっただけでなく、その後の人生において、学歴が高く、雇用や経済的な環境が安定しており、反社会的な行為に及ぶ確率も低かったのです。
就学前教育に長期にわたって持続するような効果があったということは、子どもへの教育投資を考えている親にとってもそして子ども自身にとっても 素晴らしい発見ですが、この発見の持つ意味はそれにとどまりません 。
就学前教育への支出は雇用や、生活保護の受給、逮捕率などにも影響を及ぼすことから、単に教育を受けた本人のみ
ならず、社会全体にとってもよい影響 をもたらすのです 。
こうした社会全体への好影響を「 社会収益率 」 として推計したヘックマン教授らによると、ペリー幼稚園プログラムの社会収益率は年率7~10%にも上ると指摘されています。他の研究ではさらに高い13% あるいは17%という推計結果もあります 。
社会収益率が7~10%にも上るということは、4歳の時に投資した100円が、65歳の時に6000円から3万円ほどになって社会に還元されているということです。現在、政府が失業保険の給付や犯罪の抑止に多額の支出を行っていることを考えると、幼児教育への財政支出は、社会全体でみても非常に割のよい投資であるといえるのです 。
少し長くなってしまいましたね😅
今回はこのくらいにして、次回はいよいよ「就学前教育(幼児教育)」が高める能力についてお話して行きたいと思います。
ヒルズハウジングは福岡県大川市で新築住宅を建築するハウスメーカーです。お気軽にお声がけくださいね!!
※1トドラーズ世代:0歳~3歳のお子さまをお持ちの子育て世代
出典:中室牧子(2015)『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンティワン
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